先に結論
- 求人を見た人の多くは、応募する前に事業所名で検索します。そこで何も出てこないと、判断材料は求人票の条件だけになり、条件だけの比較になります。
- ハローワークの求人票は様式が決まっていて、職場の雰囲気や1日の流れ、誰と働くのかまでは書ききれません。採用ページの役割は、条件の上乗せではなく「求人票に書けないことを書く」ことです。
- ただし、自社サイトの募集も職業安定法上の労働者募集にあたります。求人票と食い違う条件を書いたり、実態と違う表示をしたりはできません。
1. 応募を決める前に、応募者は検索している
介護の職場を探している人は、複数の求人を並べて比べています。給与や勤務時間が近い求人が並んだとき、最後に効くのは「どんな場所で、誰と働くのか」が想像できるかどうかです。そして想像するための材料を、多くの人は検索で探します。
このとき、事業所名で検索して出てくるのが情報公表システムの制度的なページだけ、という状態は珍しくありません。情報公表システムは利用者がサービスを選ぶための仕組みなので、そこに載っているのは制度上の情報です。働く場所としての判断材料にはなりません。
2. 求人票と採用ページは役割が違う
| 求人票(ハローワーク・求人媒体) | 自社サイトの採用ページ | |
| 得意なこと | 条件を正確に伝える。探している人の目に触れる | 雰囲気・人・働き方を伝える。迷っている人の背中を押す |
| 制約 | 様式と文字数が決まっている。写真がほとんど使えない | 自分で見にきてもらう必要がある(求人票からの導線が要る) |
| 更新 | 募集のたびに出す | 置いておける。募集していない時期も見られる |
つまり、採用ページ単体で応募を集めるものではありません。求人票で見つけてもらい、迷った人が検索して見にくる場所を用意する、という組み合わせです。求人票の事業所メッセージ欄にURLを1行入れておくだけで、この導線はつながります。
3. 採用ページに載せる項目
介護の求職者が実際に気にしているのは、待遇そのものより「入ってから何が起きるか」です。次の項目は、書いてあるだけで問い合わせの質が変わります。
1日の流れ
日勤と夜勤、それぞれ時間帯ごとに何をするのか。休憩がいつ取れるのかも書く。
職員の構成
何人の職場で、年代はどのくらいばらけているか。未経験から入った人がいるかどうか。
夜勤の実態
月の回数、1人夜勤か複数か、仮眠が取れるか。ここを書かない求人が多いので差がつく。
入職後の流れ
何日くらい先輩と一緒に動くのか、独り立ちまでの目安。未経験者がいちばん不安な部分。
資格取得の支援
初任者研修・実務者研修の費用補助や勤務調整があるなら、条件を具体的に。
送迎・記録の方法
運転の有無、記録が紙かタブレットか。応募を見送る理由になりやすい実務条件。
働いている人の言葉
1人か2人で十分。前職、入った理由、大変なことも1つ書くと信用される。
写真
建物の外観と、実際の職場。利用者が写る場合は必ず本人・家族の同意を取る。
応募のしかた
電話・フォーム・ハローワーク経由のどれでもよいことと、受付時間。見学だけの可否も。
逆に、書いても差がつかないのは「アットホームな職場です」「未経験歓迎」「やりがいのある仕事」といった言葉です。どの事業所も同じことを書いているため、読んだ人の判断材料になりません。同じことを伝えたいなら、そう思える具体的な事実を1つ書くほうが効きます。
4. 書き方の注意(職業安定法)
自社サイトの募集にもルールがあります
自社のホームページで職員を募集する場合も、職業安定法上の労働者募集にあたります。虚偽の内容や、誤解を生じさせる表示で募集することは認められていません。求人票に書いた条件と、採用ページに書いた条件が食い違っていると、それ自体がトラブルのもとになります。
また2024年4月から、募集にあたって明示すべき事項が追加されています。従来の労働条件に加えて、次の3点が対象です。
- 従事すべき業務の変更の範囲
- 就業場所の変更の範囲
- 有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間や更新回数の上限を含む)
複数の事業所を運営していて異動の可能性がある場合や、有期契約で募集する場合は、ここを曖昧にしたまま出さないようにしてください。
数字を書くときも同じです。「残業ほぼなし」と書くなら、実際の平均に近い形にする。「月給28万円可」のような上限だけの表示は、内訳(基本給、夜勤手当が何回分か、処遇改善手当が含まれるか)を書かないと、入職後の不一致につながります。応募が増えても定着しなければ、募集をやり直すことになります。
5. 順番としての現実的な進め方
費用をかけない順に並べると
- ハローワークの求人票の事業所メッセージ欄を埋める。1日の流れと夜勤の実態を優先して書く
- Googleビジネスプロフィールを整える(写真、営業時間、外観が分かる1枚)
- それでも応募が来ない、あるいは見学まで来ても決まらないなら、採用ページを用意して求人票からリンクする
- 採用ページができたら、求人票のメッセージ欄にURLを1行入れる。ここをやらないと見られません
採用サイトを作れば応募が来る、という因果ではありません。応募を迷った人が最後に見る場所を用意しておく、という性格のものです。順番を飛ばして作っても、見られないまま置かれることになります。
採用を主役にしたホームページの見本があります
当方では、介護・障害福祉の小さな事業所向けに、完成済みのデザインから選んで内容を差し替える方式でホームページを作っています。求人が主役のレイアウト(1日の流れ、先輩の声、募集要項を前に出す構成)も見本として用意してあります。
文章は、メモ書き程度の情報をいただければこちらで整えます。上に挙げた「夜勤の実態」「入職後の流れ」のような項目は、質問シートで順番に伺う形にしてあります。
介護・福祉のデザイン見本を見る見本はすべて実際に動くサンプルです。事業所名・数値・給与はすべて架空のものです。